M&Aで救われた会社
M&Aというと「金のある会社が、資金に物を言わせて規模の小さい会社を傘下におさめる事だ」とか「投資家が自分の資産価値を上げる為のマネーゲームだ」等、いい印象を持たないニュースや記事が目立つ事があります。
実際のビジネスにおいて、M&Aは結構、身近に行われおり、その結果は決してマイナスではなく、むしろM&Aをされた側がハッピーになるケースが多いです。
個人的に、なんで、こういうハッピーケースをもっと積極的にPRしないのだろう・・と疑問に感じてしまいますが。
さて、私の知るケースとしては、こんな話があります。
ある商社が主力商品の電子部品を、大手家電メーカーに納めておりました。
その電子部品は、その商社にとっても生命線であり、製造元のメーカーもその商社の仕事のおかげで、工場は常に安定稼動を維持できており、結果的に雇用の安定を生み出しておりました。
事業が順調に進み、その電子部品の製造メーカーは、工場ごと海外に移転する事になりました。
当初、海外に移転後も、その電子部品の日本工場のスタッフは日本に残り、一部のスタッフだけが海外の新工場に出向して、しばらくの間だけ現地スタッフを育成するというプランでした。
新しい工場も建築が終わり、いよいよ来月に稼動というタイミングで、その電子部品のライバルメーカーが違う国に製造工場や設備を其のまま残したまま倒産してしまいました。
そこで、その電子部品メーカーの幹部は「今から現地スタッフを育てるより、倒産した会社の工場を買取り、今まで働いていた現地スタッフを雇おう。
人材育成費も抑えれる」と鶴の一声で、海外工場を倒産したライバルメーカーの工場を使うという案に方向転換しました。
更に、これを気に、その商社から商圏を奪おうと画策したのです。
さすがに、その商社の社長も予期せぬ事態に頭を悩ませ、悩みに悩みぬいた末に出した決断が「じゃあ、元々移転する予定だった新工場を、部門だけM&Aしよう」という事になり、相手側と交渉に入りました。
その電子部品メーカーの幹部は、既に雇う予定だった現地スタッフを引き受けるのを条件に部門の切り売りを商社に行いました。
現地スタッフは、決まっていた仕事が突然無くなるという不安から救ってくれた、その商社の社長に深く感謝して、一生懸命働き、品質のよいものをどんどんとつくり、その商社の売上に貢献しました。
そして、倒産した会社のラインを利用した電子部品メーカーは品質を落とし、顧客の信頼を失い、その部門のビジネスの殆どを、M&Aにだした商社にとられたのです。
おとぎ話のようですが、このようなハッピー(電子部品メーカーにとってはアンハッピーですが)な事例もあるという事を紹介させてもらいました。
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